歯間ブラシやデンタルフロスは、口腔内を清潔に保つために欠かせないケア用品です。しかし、「どちらを使うべきか迷う」「正しい使い分けがわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、歯間ブラシやデンタルフロスの特徴、それぞれの使い分け方をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

歯間ブラシやデンタルフロスの特徴とは?
まず、歯間ブラシやデンタルフロスの特徴について解説します。
- 歯間ブラシ
- デンタルフロス
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
歯間ブラシ
歯間ブラシは、口腔内のよごれを取り除くためのケア用品です。ブラシ部分はナイロンやシリコン素材でできており、隙間にフィットしやすい形状になっています。使い方は簡単で、歯と歯の間に軽く差し込み、ゆっくりと前後に動かすだけです。
これにより、通常の歯ブラシでは届きにくい部分のよごれや食べかすを効果的に除去できます。さらに、ブリッジや歯根が露出した箇所にも適しているため、さまざまな箇所で活躍します。
デンタルフロス
デンタルフロスは、歯と歯の間に残ったよごれを除去するためのケア用品です。細い糸状の形をしており、ブラシでは届かない歯間部のケアに優れている点が特徴です。使用時は、歯の隙間にフロスをゆっくりと差し込み、前後に動かしながらよごれを取り除きます。
また、フロスには、持ちやすい柄付きタイプと、糸単独のタイプがあり、状況に応じて選べます。歯周ポケットやブリッジ周囲の清掃も可能で、日々の口腔ケアに最適です。
なお、デンタルフロスが臭くなる原因と口臭の関係については、こちらの記事で解説しています。
関連記事:【歯科技工のプロが教える】口臭改善にはデンタルフロスがおすすめ!臭い原因や正しい使い方を徹底解説!

デンタルフロスが歯の健康に重要な理由
歯と歯の間に残ったよごれは、細菌が増殖しやすく、やがてプラーク(歯垢)となって虫歯や歯周病の原因になります。このよごれを取り除くために効果的なのがデンタルフロスです。フロスは歯ブラシの届きにくい歯間部のよごれをしっかりと除去でき、口腔内の健康維持ができます。
さらに、定期的に使えば歯茎からの出血や異臭など、歯茎の健康状態も確認できます。また、デンタルフロスはブラッシングのみの場合より高い効果を発揮するため、口腔内のケアに欠かせないアイテムです。

デンタルフロスの種類
次に、デンタルフロスの種類について解説します。
- ホルダータイプ
- 糸まきタイプ
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
ホルダータイプ
ホルダー付きデンタルフロスは、手軽に使えるため初心者にもおすすめのアイテムです。フロスがあらかじめセットされているため、面倒な準備が不要で、忙しい時でもさっと取り出して使用できます。
また、ホルダーには2種類あり、F字型は下の前歯に適しており、Y字型は奥歯や上の前歯に使いやすい形状です。さらに、ドラッグストアや100円ショップでも購入でき、気軽にはじめられるのが大きな魅力です。また、日常的に歯間ケアを行うと、虫歯や歯周病の予防につながります。
糸まきタイプ
糸巻きタイプのデンタルフロスは、必要な長さをカットして使うタイプで、細かい部分のよごれをしっかり落とせます。フロスには「ワックスタイプ」と「ノンワックスタイプ」があり、使いやすさに違いがあります。
ワックスタイプは滑りが良く、歯間にスムーズに入るため初心者に最適です。一方、ノンワックスタイプは歯に密着しやすく、しっかりとプラークを除去できますが、少し慣れが必要です。このため、用途に合わせて選ぶようにしましょう。

歯間ブラシとデンタルフロスの使い分け方

歯間ブラシは、歯ぐきが下がって隙間が広がった方や、ブリッジをしている方に適したケアアイテムです。歯間の根元にたまるよごれをしっかりと取り除けます。
一方、デンタルフロスは歯間が狭い部分や、通常のブラッシングでは届きにくい歯と歯の間のよごれを除去するのに効果的です。それぞれの道具には特性があり、歯の状態に合わせて使い分けると、より効率的に口腔ケアが可能になります。

歯間ブラシとデンタルフロスでよくある3つの質問
最後に、歯間ブラシとデンタルフロスでよくある質問について紹介します。
- 質問1.デンタルフロスの使い方は?
- 質問2.歯垢と歯石の違いとは?
- 質問3.歯ブラシの適切な交換時期は?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.デンタルフロスの使い方は?
ホルダータイプのデンタルフロスは操作が簡単で、初めての方にもおすすめです。使い方は、以下のとおりです。
- 鏡で確認しながらフロスを歯間にゆっくりと差し込む
- ノコギリのように小刻みに動かしながら進める
- 歯の面に沿わせて上下に動かして、プラークをしっかり取り除く
一方、糸巻きタイプのフロスの使い方は、以下のとおりです。
- 必要な長さ(約40cm)にカットして、中指に巻き付ける
- 親指と人差し指でフロスをつまみ、歯間にゆっくり挿入する
- 歯ぐき近くまで入れたら、フロスを歯に軽く巻きつける
- 上下に動かしながら、よごれを除去する
- 取り出す際は、ゆっくりと動かし、次の歯間にはフロスの新しい部分を使う
質問2.歯垢と歯石の違いとは?
歯垢(プラーク)は、食べカスと細菌が結びついてできる白く粘着性のあるよごれで、歯の表面や歯間、歯茎の境目に付着します。このため、デンタルフロスや歯ブラシを使って、毎日しっかり取り除かなければなりません。
もし、歯垢を放置すると、唾液中のカルシウムやリンが付着して石灰化して、歯石となります。歯石は非常に硬く、自宅で取り除くのは困難です。歯石は新たな歯垢の温床となり、放っておくと歯周病や虫歯の原因となるため、歯科医院で専用の器具を使って除去してもらう必要があります。
質問3.歯ブラシの適切な交換時期は?
歯磨きの回数や時間、ブラッシングの力加減は人によって異なるため、毛先が広がるスピードもさまざまです。しかし、毛先が広がった歯ブラシを使い続けると、歯の表面だけでなく、歯と歯の間や歯茎の境目など細かな部分のよごれを十分に落とせなくなります。
このため、歯ブラシは目に見える劣化がなくても、1か月に1回の交換がおすすめです。毛先の状態がよいと思っても、使い続けるとブラシの弾力や清掃効果は徐々に低下します。定期的に新しい歯ブラシに取り替えると、口腔内を清潔に保てます。
なお、歯ブラシの交換時期については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【歯科技工のプロが教える】歯ブラシの交換時期はいつ?適切な交換頻度や長く使い続けるデメリットをご紹介!

まとめ

本記事では、歯間ブラシやデンタルフロスの特徴やそれぞれの使い分け方をご紹介しました。
歯間ブラシとデンタルフロスは、どちらも歯と歯の間を清潔に保つためのケア用品です。歯間ブラシは、通常の歯ブラシでは届きにくい部分のよごれや食べかすを取り除けます。一方、デンタルフロスは歯と歯の間が狭い箇所にも入り込み、細かいよごれを除去するのに効果的です。
歯と歯の間に残ったよごれは、細菌が増殖しやすく、やがてプラーク(歯垢)となって虫歯や歯周病の原因になります。このよごれを取り除くために効果的なのがデンタルフロスです。
デンタルフロスは、虫歯や歯周病予防に欠かせないアイテムで、ホルダータイプと糸まきタイプの2種類があります。ホルダータイプは使いやすさが魅力で、糸まきタイプは細かい調整ができます。
また、歯間ブラシは、歯ぐきが下がって隙間が広がった方や、ブリッジをしている方に適したケアアイテムです。デンタルフロスは歯間が狭い部分や、通常のブラッシングでは届きにくい歯と歯の間のよごれを除去するのに効果的です。
それぞれに特徴があり、歯の状態に合わせて使い分けると、より効率的に口腔ケアが可能になります。

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