嘔吐反射は日常生活だけでなく、歯科治療や矯正治療においても悩みの種となる場合があるでしょう。本記事では、嘔吐反射の原因や特徴、矯正治療で起こりやすい場面について詳しく解説します。
また、嘔吐反射がある方におすすめの「マウスピース矯正」のメリットや、治療を進める際のコツについてもふれました。嘔吐反射に悩む人も安心して矯正治療に取り組めるよう、ぜひ参考にしてください。
嘔吐反射の原因とは？
「嘔吐反射」は、口の奥に異物が触れた際に起こる体の自然な反応で、身体を守る重要な働きのひとつです。歯科治療では、器具や水が口内に入るのが避けられず、敏感な人にとってはこの反射が強く出やすくなります。
また、過去の不快な経験や、治療に対する緊張・恐怖心が引き金となって症状が悪化する場合もあります。日頃からの呼吸の仕方や舌の位置も、影響を与える要因のひとつでしょう。
嘔吐反射が強い人の特徴
嘔吐反射が起こりやすい要因には、口腔内の感覚の敏感さや心理的な影響が関係しています。舌や喉の奥にわずかな刺激が加わるだけで不快感を覚える人は、治療中に反射が起きやすくなるのです。
また、診療時に横になる姿勢や大きく口を開ける動作が苦手な人も反応が強く出やすい傾向があります。過去の歯科治療でのつらい体験や、日常的なストレスも嘔吐反射の一因といわれています。
矯正治療で嘔吐反射が起こりやすい場面は4つ
治療のどのプロセスで嘔吐反射が起こりやすいのかを具体的に説明し、それぞれの場面での対策方法についても触れていきます。
1.口腔内診査・クリーニング
矯正治療中には、定期的な診察や口腔内のケアが必要不可欠です。その過程で器具が舌や喉の奥に触れる場合があり、敏感な人は嘔吐反射を感じやすくなるでしょう。
特にクリーニングやレントゲン撮影など、口の中に器具を入れる処置では「オエッ」となりやすい場面が多く見られます。矯正治療は長期にわたるため、こうした反応がストレスとならないよう配慮が必要です。
2.歯型の採取
参考：歯科における歯型取り（印象採得） | 東京医療保健大学
歯列矯正を始める際に欠かせない工程の一つが歯型の採取です。歯型をとる際には、口腔内に大きめのトレーと柔らかい材料を入れる必要があり、特に口の奥に触れる場面では嘔吐反射が起こりやすくなります。
材料が奥に流れやすいと、さらに反射が強く出る場合もあるでしょう。最近では、従来の方法に加えて「光学スキャナー」を使用するクリニックも増えており、口腔内への負担を軽減できる点が注目されています。
3.装置の装着
矯正治療を始めたばかりの時期は、口の中に新たな装置が入ると異物感を強く覚える場合があります。ワイヤーやマウスピースが舌や頬の内側に触れると、不快感や嘔吐反射が起こりやすくなるのです。
慣れるまでに時間がかかる事例もあり、特に敏感な人は日常生活に支障を感じる場合があります。このような症状が長引く場合には、無理をせず歯科医師に相談してください。
4.ゴムかけ
矯正治療中に行われる「ゴムかけ」は、上下の装置に専用のゴムを装着して歯を動かす補助的な方法です。
最初はコツをつかむのが難しく、特に奥歯や裏側にゴムをかける場合は、口の奥に指を入れる必要があるため、嘔吐反射が出やすくなる場合があります。毎日行うものなので、慣れるまでは大変ですが、無理せず焦らずに取り組みましょう。
嘔吐反射がある人にマウスピース矯正がおすすめな理由は3つ
嘔吐反射がある人にとって、矯正治療は不安やストレスを伴うものです。ここからは、特に嘔吐反射がある人にマウスピース矯正をおすすめする理由について、3つのポイントに分けて詳しくご紹介します。
1.装着時の違和感が少ない
マウスピース矯正で使用されるマウスピースは、非常に薄く設計されており、自分の歯にしっかりフィットするため装着時の異物感が少ないのが特徴です。
ワイヤー矯正に比べて装置が小さく、口の中の広範囲を覆わないため、嘔吐反射が出やすい人にも受け入れやすい傾向があります。口を自然に閉じられる点も、快適さを感じる理由のひとつです。
2.スキャナーで歯型採りができる
マウスピース矯正では、歯型の採取に光学スキャナーを使うのが一般的になりつつあります。
この方法は、従来のように粘土状の材料を口に入れる必要がなく、スキャナーを歯の表面に軽く当てるだけで済むため、嘔吐反射を起こしやすい人にも安心です。
スキャンしたデータは精密で再現性も高く、取り直しのリスクも少ないのが利点です。快適でスムーズに進めたい人には、特におすすめの技術といえます。
3.診療時間が短い
定期的な通院では、ワイヤー矯正の場合、調整や装置の修正に時間を要する場合があり、その間は口を大きく開け続ける必要があります。器具や手が口の中に何度も入るため、嘔吐反射が出やすい人にはつらく感じられる場面もあるでしょう。
一方、マウスピース矯正は、調整が比較的シンプルで多くの作業が口の外で済むため、診療時間が短く、不快感が少ないのが特長です。ただし、特定の処置では時間がかかる場合もあるため、事前に相談するのがおすすめです。
嘔吐反射がある人がマウスピース矯正の治療をする際のコツ
嘔吐反射がある人が、マウスピース矯正治療をスムーズに進めるには、いくつかのコツを知っておくのが重要です。
治療を快適に進めるためには、適切な工夫を取り入れるのがポイントでしょう。具体的な方法を紹介していきます。
医師に事前に相談する
嘔吐反射が出やすいと感じている場合は、治療前に歯科医師へその旨を伝えるのがとても大切です。あらかじめ伝えておくと、診療時に体勢を調整したり、器具の扱い方に配慮してもらえたりと、負担を軽減する工夫が可能になります。
自分だけが悩んでいると思いがちですが、同じように不安を抱える患者は多く、歯科医師も対応に慣れています。無理に我慢せず、安心して相談するのが快適な治療への第一歩です。
リムーバーやエラスティックホルダーを使用する
マウスピースを取り外したり、ゴムかけを行ったりする際に指を口の奥まで入れるのがつらいと感じる方には、リムーバーやエラスティックホルダーの使用がおすすめです。これらの補助器具は先端がフック状になっており、マウスピースやゴムに簡単に引っかけられるため、直接指を入れる必要がありません。
嘔吐反射を軽減できるだけでなく、操作もしやすいため、不器用な人や長い爪の人にも便利です。市販されているので一度試してみる価値があるでしょう。
オーラルケア商品の購入に「お口のお店 Oral Care Shop」がおすすめな理由
歯科技工所が運営するオーラルケア商品専門店である「お口のお店Oral Care Shop」は、お口の悩みを抱える多くの方にとって理想的な選択肢です。歯科医師が認めた選りすぐりの商品のみを取り扱っているため、安心して商品を選べます。
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マウスピース嘔吐反射でよくある3つの質問
マウスピース矯正を検討している人の中には、嘔吐反射が気になる人も多いでしょう。そこで、マウスピース矯正を進める上で特に気になる3つの質問を取り上げ、それぞれ詳しく解説していきます。
質問1.マウスピース矯正中は虫歯になりやすい？
マウスピース矯正は、取り外しができる点が大きな利点で、正しくケアすれば虫歯のリスクを抑えることが可能です。毎日のブラッシングがしやすく、フロスなども使えるため、清潔な口腔環境を保ちやすいのが特徴です。
ただし、マウスピースそのものの衛生管理も欠かせません。
長時間装着するため、汚れたまま使用すると菌が繁殖しやすくなります。特にアタッチメント周辺は食べかすが残りやすいので、意識的なケアを心がけましょう。
関連記事：【歯科技工のプロが教える】マウスピース矯正は虫歯になりやすい？理由や対処法、予防策まで徹底解説！
質問2.マウスピースの正しい使用方法は？
マウスピース矯正を効果的に進めるためには、正しい装着方法が欠かせません。装着前には、手をしっかり洗って清潔な状態で取り扱いましょう。
また、上下のマウスピースを間違えず、それぞれの歯に正しく装着するのが重要です。歯に均等にフィットさせるために、軽く噛み締めるように装着すると効果的でしょう。
アライナーチューイを併用すると密着度も高まり、より正確な装着が可能になります。日々のケアと注意が、矯正効果を高めるポイントです。
関連記事：【歯科技工のプロが教える】マウスピースの正しい保管方法｜洗い方やよくある質問まで徹底解説！
質問3.マウスピース矯正が保険適用外な理由は？
マウスピース矯正をはじめとする歯列矯正は、見た目の改善を目的とする場合が多いため、一般的には健康保険の対象外となります。日本の医療制度では、病気やけがの治療に保険が適用される仕組みであり、審美的な処置は自由診療に分類されるためです。
特にマウスピース矯正は軽度の症例に用いられるケースが多く、保険適用の条件を満たす例はほとんどありません。そのため、治療費は全額自己負担となる点を理解しておくのが大切です。
関連記事：マウスピース矯正が「保険適用外」の理由とは？保険適用されるケースや費用相場をご紹介！
まとめ
嘔吐反射が強い人にとって、矯正治療は大きな負担に感じられる場合があるかもしれません。しかし、嘔吐反射の原因や対処法を理解し、それに合った治療方法を選択すれば、安心して矯正治療を進められるでしょう。
特にマウスピース矯正は装着時の違和感が少なく、歯型の採取もスキャナーで行えるため、嘔吐反射が強い人におすすめの治療法といえます。
なお「お口のお店Oral Care Shop」では、お口の悩みを持つすべての人のために、歯ブラシや入れ歯洗浄剤など、歯科医師に認められたオーラルケア商品を販売しています。
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