舌ブラシが「よくない」と言われる3つの理由とは?正しい使い方もご紹介!

歯ブラシの悩み

口臭対策として注目される舌ブラシですが、間違った使い方をするとお口の健康を損ねるリスクがあります。しかし、舌ブラシ自体が悪いわけではなく「使い方」に問題があるケースがほとんどです。

本記事では、舌ブラシが「よくない」と言われる理由と、舌を傷つけない正しい使い方を徹底解説します。舌ブラシに頼らない舌苔ケア方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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舌ブラシが「よくない」と言われる3つの理由

舌ブラシが「よくない」と言われる3つの理由

舌ブラシが「よくない」と言われる背景には、不適切な使用によるリスクが存在します。舌ブラシの使用が逆効果になり得る3つの理由を詳しく解説します。

1.舌の粘膜を傷つけるリスク

舌の表面は非常にデリケートな粘膜で覆われています。硬いブラシを使用して強い力で擦ったり、1日に何度も使用したりすると、この粘膜が傷ついてしまうのです。

舌がヒリヒリと痛むだけでなく、傷ついた部分から細菌が侵入しやすくなる恐れもあります。普段使っている歯ブラシを使用すると毛先が硬すぎるため、舌を傷つけるリスクが格段に高まります。

舌の表面は歯茎よりも柔らかいため、専用の優しい素材でケアしてください。

2.味蕾(みらい)へのダメージ

舌の表面には「味蕾(みらい)」と呼ばれる、味を感じるための小さな器官が多数存在します。舌ブラシでゴシゴシと強く擦りすぎると、味蕾がダメージを受けてしまうのです。

味蕾を傷つけると、味覚障害を引き起こし、食べ物の味がわかりにくくなる場合があります。食事の楽しみが失われるだけでなく、味付けが濃くなりやすく、健康全体に悪影響を及ぼす可能性もあります。舌は優しくケアするのが非常に大切です。

3.過剰な使用による口臭の悪化

舌苔を取り除いて口臭を予防するはずの舌ブラシも、やり過ぎると逆効果になります。舌の粘膜が傷つくと、傷口に細菌が溜まりやすくなるのです。

さらに舌の防御機能が低下し、かえって口臭の原因菌が増殖しやすい環境を作ってしまいます。また、舌への過度な刺激は唾液の分泌バランスを崩す場合があります。

唾液には口内を洗浄し細菌の増殖を抑える「自浄作用」があるため、唾液が減ると口臭が悪化しやすくなるのです。

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【要注意!】舌ブラシの間違った4つの使い方

【要注意!】舌ブラシの間違った4つの使い方

舌ブラシには、絶対に避けるべき間違った使い方があります。良かれと思って行っているケアが、実は舌を傷つけ、デメリットを大きくしているかもしれません。

ここからは、代表的な4つのNG行動について解説します。

1.歯ブラシによる代用

よく見られる間違いが、歯磨きのついでに歯ブラシで舌を磨く行為です。歯を磨くために設計された歯ブラシは毛先が硬く、デリケートな舌の粘膜を傷つけるには十分過ぎます。

舌には舌専用のブラシ、または柔らかい素材で作られた舌クリーナーを使用するのが鉄則です。歯ブラシを使用した舌ケアは味蕾や舌の表面を傷つけ、口臭悪化の原因となるため、絶対に避けてください。

2.強い力でのブラッシング

舌苔を根こそぎ取ろうとして、ゴシゴシと強い力で擦るのは非常に危険です。舌はスポンジのように柔らかい組織であり、強い圧力をかけると簡単に傷ついてしまいます。

専門家によれば、舌を磨く圧力は100g以下、軽く撫でる程度が推奨されています。痛みを感じるのはもちろん、ヒリヒリしなくても強すぎる可能性があります。

参考:口臭|日本歯科医師会

3.歯磨き粉の使用

歯磨き粉に含まれる研磨剤や発泡剤、ミントなどの香味料は、舌の粘膜にとって刺激が強すぎます。これらの成分が舌を傷つけたり、味蕾にダメージを与えたりする原因となるのです。

舌ブラシを使用する際は、何もつけずに水で濡らすか、舌専用のクリーニングジェルを使用してください。専用ジェルは保湿成分などが含まれており、舌を保護しながら優しく汚れを除去できます。

4.過度な使用頻度

口臭が気になるからといって、1日に何度も舌ブラシを使用するのはやり過ぎです。舌の粘膜は再生に時間がかかります。

頻繁に擦ると粘膜が回復する暇がなく、慢性的に傷ついた状態になってしまいまうのです。専門機関の多くは、舌の清掃は「1日1回」で十分であると推奨しています。

過度な清掃は逆効果だと認識し、適切な頻度を守りましょう。

参考:How to 口臭予防|8020推進財団

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舌ブラシの4つの正しい使い方

舌ブラシの4つの正しい使い方

どうすれば安全かつ効果的に舌苔ケアができるのでしょうか。ここでは、舌を傷つけない正しい使い方を具体的に解説します。

1.使用のタイミング

舌ブラシを使用する最適なタイミングは「1日1回、起床時」です。就寝中は唾液の分泌が減少し、口内で細菌が増殖しやすい時間帯です。

そのため、朝起きた直後は舌苔が一番多く付着しているのです。朝食前や歯磨きの前に舌清掃を行えば、細菌の塊である舌苔を効率的に除去できます。

さらに、それらを飲み込んでしまうのも防げます。

2.準備と道具の選択

舌ブラシ(または舌クリーナー)を水で軽く濡らします。研磨剤入りの歯磨き粉は絶対に使用しないでください。

乾燥が気になる場合や、より優しくケアしたい場合は、舌専用の保湿ジェルを使用するのも良い方法です。道具は、必ず舌専用のものを選びましょう。

鏡を見ながら、舌をできるだけ前方に突き出すと、奥まで見やすくなります。これにより、嘔吐反射(オエッとなる状態)も防ぎやすくなります。

3.ブラシを当てる方向

舌を磨く際は、必ず「奥から手前へ」の一方通行で動かしましょう。ブラシを舌の奥の方(無理のない範囲)に軽く当て、そこから舌の先端に向かって優しく引き出してください。

この動作を数回繰り返します。ブラシを往復させたり、手前から奥へ動かしたりするのはやめましょう。なぜなら、細菌を喉の奥に押し込んでしまう可能性があるためです。

また、舌の粘膜を無駄に擦って傷つける原因にもなります。

4.適切な回数と力加減

舌を清掃する際は、ごく優しい力で行います。目安は100g以下、豆腐を撫でるような感覚です。

舌苔を一度で全て取り切ろうとやりすぎないのがポイントです。白さが残っていても、毎日続ければ徐々に改善します。

奥から手前への動作を3〜5回程度行えば十分です。頻度は1日1回を守り、やりすぎによる味覚障害や口臭悪化のリスクを避けましょう。

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舌ブラシに頼らない舌苔ケアの3つの方法

舌ブラシに頼らない舌苔ケアの3つの方法

舌ブラシを使った直接的なケアも大切ですが、そもそも舌苔が付きにくい口内環境を整えるのが大切です。舌ブラシでのケアに不安がある方や、根本的な改善を目指したい方は、日常生活の中でできるセルフケアを試してみましょう。

1.唾液の分泌促進

唾液は、口内の汚れを洗い流し、細菌の増殖を抑える天然の洗浄液です。唾液の分泌量が減ると、口が乾燥し、舌苔が付着しやすくなります。

食事の際は「よく噛む」を意識するだけで、唾液の分泌は促されます。また、唾液腺(耳の下、顎の下など)を優しくマッサージするのも効果的です。

こまめな水分補給を心がけ、口内が乾燥しないように保つと、口臭予防と舌苔ケアにつながります。

2.食生活の改善

舌苔の状態は、胃腸の状態を映す鏡とも言われます。暴飲暴食やストレスなどで胃腸の調子が悪くなると、舌苔が厚くなる場合があります。

体調管理の一環として、バランスの取れた食生活を心がけましょう。食物繊維が豊富な野菜や果物は、咀嚼回数を増やすだけでなく、腸内環境を整える助けになります。

刺激物の多い食事やアルコールの摂取を控えるのも、舌の健康を保つ上で有効です。

なお、口臭対策になる食べ物や飲み物が知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

関連記事:口臭対策になる食べ物や飲み物7選|口臭の主な原因や対策に役立つアイテムもご紹介! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

3.歯科医院での相談

セルフケアを続けても舌苔が改善しない場合、早めに歯科医に相談してください。また、舌の色が極端に白い、黒い、まだら模様になっているなど、異常を感じる場合も同様です。

舌苔が厚くなる原因は、口腔内の問題(例:不適合な詰め物、歯周病)かもしれません。あるいは、全身の疾患(例:胃腸の不調、ビタミン欠乏、薬の副作用)にある可能性も考えられます。

専門家による診断を受け、適切な指導のもとで根本的な原因に対処するのが、舌の健康を取り戻す一番の近道です。

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オーラルケアを購入するなら「お口のお店 Oral Care Shop」がおすすめ

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お口のお店 Oral Care Shop」は、歯科技工所が運営するオーラルケア商品の専門ショップです。歯科技工士は、歯科医療の現場で歯や口腔内の構造を熟知した専門家です。

ショップの特徴は、取り扱う商品が歯科医師が認めた選りすぐりのアイテムのみである点です。さらに、歯科技工士が専門的な視点から商品を厳選しているため、品質と機能性への信頼は抜群です。

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「舌ブラシはよくない?」でよくある3つの質問

「舌ブラシはよくない?」でよくある3つの質問

「舌ブラシはよくない?」に関する質問を3つ紹介します。それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

質問①舌ブラシは毎日使ってもいいですか?

舌ブラシの使用頻度は「1日1回」が推奨されています。それ以上行うと、舌のデリケートな粘膜や味蕾を傷つけるリスクが高まってしまうためです。

かえって口臭が悪化したり、味覚障害を引き起こしたりする可能性があります。汚れが気になる場合でもやりすぎは禁物です。

なお、舌磨きの理想的な頻度については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

関連記事:舌磨きの理想的な頻度は?舌ブラシの種類や効果的な舌磨きのポイントをご紹介します! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

質問2.舌苔が取れない原因は何ですか?

正しい使い方で舌ブラシを使用しても舌苔がすぐに改善しない場合、いくつかの原因が考えられます。まず、力が強すぎて逆に舌の表面が荒れ、汚れが溜まりやすくなっている可能性です。

また、舌苔は体調のバロメーターです。胃腸の不調、ストレス、疲労、ビタミン不足などが原因で、舌苔が厚く付着する場合があります。また、口呼吸による唾液の減少(口腔乾燥)も原因の一つです。

セルフケアで改善しない場合は、歯科医への相談をおすすめします。

質問3.舌ブラシの代わりにできることはありますか?

舌ブラシの刺激がどうしても合わない場合、無理に使う必要はありません。代わりにできるケアとして「ガーゼ」を使う方法があります。

水で濡らした清潔なガーゼを指に巻き、舌の奥から手前へと優しく拭いましょう。また、唾液の分泌を促すのも重要です。

食事の際によく噛む、唾液腺マッサージを行う、こまめに水分を摂るなどを心がけてください。舌苔が気にならない程度であれば、無理に清掃する必要はないという意見もあります。

参考:How to 口臭予防|8020推進財団

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まとめ

まとめ

「舌ブラシはよくない」という情報は、主に「やりすぎ」や「間違った使い方」によるデメリットを指しています。舌の粘膜や味蕾を傷つけずに口臭対策を行うには、正しい知識が不可欠です。

舌苔のケアは、歯ブラシで代用せず専用の道具を使用しましょう。「1日1回の起床時」に、「奥から手前へ」、「優しい力」で清掃します。

また、舌ブラシだけに頼らず、唾液の分泌を促す生活習慣や、体調管理を心がけるのも根本的な舌苔ケアにつながります。本記事でご紹介した正しい使い方を実践し、安全にオーラルケアの効果を高めましょう。

お口のお店 Oral Care Shop」は、お口の悩みを持つ方々を対象としています。歯科医師に認められた高品質なオーラルケア商品を取り揃えています。
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