マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かす矯正治療です。「前歯のがたつきや隙間だけを、もっと手軽に、安く治したい」という方にも、おすすめできる治療法と言えます。
前歯だけの矯正なら、10万〜40万円が一般的な費用相場です。全体矯正と比べて費用を大幅に抑えられるだけでなく、透明な装置で周りに気づかれずに短期間で理想の歯並びを目指せます。
前歯だけの矯正が可能なケースは、以下の5つです。
- ケース①軽度の「すきっ歯」や「ねじれ」がある
- ケース②過去に行った矯正の「後戻り」を直したい
- ケース③奥歯の噛み合わせが安定している
- ケース④軽度の「出っ歯」を改善したい
- ケース⑤前歯がわずかに重なっている
本記事では、前歯のみのマウスピース矯正にかかる費用相場から、メリット・デメリットまでを解説します。

前歯マウスピース矯正の相場・期間・内訳

一般的に、前歯のみのマウスピース矯正の値段相場は10万円〜40万円程度と言われています。全体矯正の80万円〜120万円ほどと比較すると、手軽に始められる価格帯と言えるでしょう。
前歯のみと全体矯正の比較表を以下にまとめました。
◆治療範囲による比較表
| 項目 | 前歯のみ(部分矯正) | 全体矯正 |
| 費用相場 | 10万円~40万円 | 80万円~120万円 |
| 治療期間 | 5か月~1年 | 2年~3年 |
治療期間についても、全体矯正が2〜3年かかるのに対して、前歯だけなら5か月〜1年程度で完了するケースが多く見られます。また、費用の内訳を把握しておけば、見積もり時に「隠れたコスト」がないかをチェックできます。
以下に費用の主な内訳をまとめました。
◆マウスピース矯正の主な費用内訳
| 治療段階 | 項目 | 目安料金 |
| 矯正前 | 初診カウンセリング・精密検査・診断料 | 無料~5万円 |
| 矯正中 | マウスピース装置代 | 10万~40万円 |
| 再診調整料(都度) | 1回3,000円~1万円 | |
| 矯正後 | 保定装置(リテーナー)代・保定観察料 | 2万~6万円 |
費用は、歯科医院によって異なるため、事前にカウンセリングやホームページで確認しておきましょう。
なお、マウスピース矯正については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:マウスピース矯正とは?メリット・デメリットや歯科矯正の流れを詳しく解説します! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

前歯のマウスピース矯正が適用できる5つのケース

前歯だけのマウスピース矯正は魅力的ですが、すべての歯並びに対応できるわけではありません。一般的に、奥歯の噛み合わせに問題がなく、前歯だけの移動で見た目が改善される以下のような状況が対象となります。
ケース①軽度の「すきっ歯」や「ねじれ」がある場合
前歯の間にわずかな隙間がある、あるいは1本だけ歯が斜めを向いているといったケースは、マウスピース矯正で成功しやすいパターンです。歯を移動させる距離が短いため、使用するマウスピースの枚数も少なく済み、結果として値段を安く抑えられます。
ただし、隙間が大きすぎたり骨格的な問題があったりすると、全体矯正が必要になる場合もあるため注意してください。
ケース②過去に行った矯正の「後戻り」を直したい場合
以前にワイヤー矯正などを行っていたものの、保定を怠ったために前歯が少し動いてしまったというケースも、部分矯正の適応対象です。一度整えられた歯並びは、完全な未治療の状態よりも動かしやすい場合が多く、短期間での修正が期待できます。
このケースでは、既に噛み合わせの基礎はできているため、前歯の見た目を微調整するだけで済む方が多いのも特徴です。
ケース③奥歯の噛み合わせが安定している場合
前歯を動かすためには、土台となる奥歯がしっかりと噛み合っており、安定しているのが絶対条件です。奥歯の位置がずれている状態で前歯だけを動かそうとすると、全体の噛み合わせが崩れてしまい、顎関節症などのトラブルを招く可能性があります。
歯科医師の診断を受け、奥歯を動かさずに前歯を並べるスペースが確保できると判断された場合のみ、部分矯正が可能です。
なお、ウスピース矯正できない例については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:マウスピース矯正できない7つの例とは?できない例に該当する場合の選択肢も徹底解説! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム
ケース④軽度の「出っ歯」を改善したい場合
上の前歯の突き出しが軽度で、その原因が歯の傾きにある場合であれば、部分矯正で治療が可能です。マウスピースによって歯の角度を内側に少しずつ傾けて、口元の印象を変えられます。
ただし、骨格そのものが前に出ている「上顎前突」の場合は、全体矯正や外科手術が必要です。
ケース⑤前歯がわずかに重なっている場合
前歯が少しだけデコボコしていたり、重なり合っていたりする状態(軽度の叢生)も、マウスピース矯正の向きの症例です。
歯の表面をわずかに削ってスペースを作る「IPR」という処置を併用すれば、抜歯をせずに歯並びを整えられます。重なりが非常に強く、歯を並べるスペースが大幅に不足している場合は、全体的なアプローチが必要です。

前歯のマウスピース矯正を行う3つのメリット

前歯に特化したマウスピース矯正には、費用面以外にも利点があります。日常生活への影響を最小限に抑えたい方にとって、部分的にアプローチできるマウスピース矯正は有効な選択肢です。
メリット①治療期間を大幅に短縮できる
全体矯正が数年単位の時間を要するのに対し、前歯のみの矯正は数ヶ月から1年程度で完了するケースがほとんどです。結婚式や就職活動といった大切なイベントを控えている方でも、短期間で見た目の改善を目指せます。
動かす歯が少ないため、治療に伴う身体的な負担も少なくて済むのが魅力です。
メリット②矯正装置が目立たずストレスが少ない
透明なプラスチック素材のマウスピースを使用するため、装着していても周囲に気づかれるケースはほとんどありません。ワイヤー矯正のような見た目の違和感がなく、接客業や営業職の方でも安心して治療を継続できます。
食事の際には取り外せるため、食べ物が装置に詰まる不快感もありません。
メリット③清掃性が高く口腔内を清潔に保てる
マウスピースは自由に取り外しができるため、歯ブラシやデンタルフロスの使用が可能です。固定式の装置とは異なり、磨き残しによる虫歯や歯周病のリスクを低く抑えられます。
常に清潔な状態で治療を進められる点は、お口の健康を長期的に守る上で非常に大きなメリットです。

前歯のマウスピース矯正で注意すべき3つのデメリット

メリットが多い一方で、前歯だけの矯正には限界や注意点も存在します。後悔しないためにも、メリットを事前に把握しておきましょう。
デメリット①噛み合わせの根本的な改善は難しい
部分矯正の目的はあくまで「前歯の見た目」を整える点に特化しています。このため、奥歯の噛み合わせの不具合や、重度の出っ歯、受け口といった骨格的な問題は解決できません。
機能面での大幅な改善を求める場合は、費用は高くなりますが全体矯正を検討しましょう。
デメリット②装着時間の徹底した管理が求められる
マウスピース矯正は、1日20時間から22時間以上の装着が治療の前提です。食事や歯磨き以外は常に装着していなければならず、装着時間が短いと計画通りに歯が動きません。
自己管理が苦手な方にとっては、治療が長引いたり失敗したりするリスクが高まる可能性があります。
デメリット③理想の形にするために歯を削る場合がある
限られたスペースに前歯を綺麗に並べるため、歯の両端を極数ミリ削る「IPR」という処置が必要になるケースがあります。健康な歯を削る治療法に抵抗がある方には、心理的なハードルとなるかもしれません。
もちろん削る量はエナメル質の範囲内ですが、事前に処置の必要性を確認しておく必要があります。

前歯のマウスピース矯正で値段を抑えて理想の歯並びを作る3つのポイント

前歯だけのマウスピース矯正を「安い」という理由だけで選ぶと、後から追加費用が発生して後悔する可能性があります。以下のポイントを押さえて、トータルコストを抑えつつ、納得のいく仕上がりを目指しましょう。
ポイント①格安パッケージプランのあるブランドを選ぶ
前歯に特化した低価格のマウスピース矯正ブランドが数多く登場しています。これらは、奥歯を動かさずに前歯のみを対象とし、マウスピースの枚数を減らし、10万〜40万円程度のリーズナブルな価格設定を実現しています。
まずは複数のブランドを比較して、自分の予算に合うプランがあるかどうかを確認してみましょう。
ポイント②診察料や調整料が含まれているか確認する
提示されている治療費以外に、通院ごとの「再診料」や、歯を削る処置(IPR)の費用が別途かかるクリニックもあります。通院回数が増え、最終的な支払額が膨らむケースも少なくありません。
すべての費用が含まれた「トータルフィー制度」を採用しているクリニックを選ぶと、追加費用の心配がなく安心です。
ポイント③リテーナー(保定装置)の費用を予算に含める
矯正治療が終わった後、歯が元の位置に戻るのを防ぐための「リテーナー」は必須アイテムです。このリテーナー代が基本料金に含まれていない場合、別途2万〜6万円程度の出費が必要です。
契約前に、治療後の保定期間にかかる費用まで合算して見積もりを依頼しましょう。
なお、マウスピース矯正後に使用するリテーナーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:マウスピース矯正後に使用するリテーナーとは?種類や注意点、痛いときの対処法を徹底解説! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

オーラルケア商品の購入なら「お口のお店 Oral Care Shop」

歯科技工所が運営するオーラルケア商品専門店である「お口のお店Oral Care Shop」は、お口の悩みを抱える多くの方にとって理想的な選択肢です。歯科医師が認めた選りすぐりの商品のみを取り扱っているため、安心して商品を選べます。
当ショップの特徴は、歯科技工士の視点から厳選された商品ラインナップです。このため、お客様のお口の状態や悩みに最適な商品選びをサポートできます。
取り扱い商品は多岐にわたり、歯ブラシやデンタルリンス、替えブラシなど、毎日のオーラルケアに必要なアイテムが揃っています。さらに、入れ歯洗浄剤やマウスピース洗浄剤など、特別なケアのための商品も充実しており、さまざまなニーズに対応可能です。
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前歯のマウスピース矯正の値段でよくある3つの質問

前歯のマウスピース矯正の値段でよくある質問をご紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。
質問①保険適用になるケースはありますか?
基本的に、見た目を整えるための歯科矯正は自由診療(全額自己負担)となり、保険は適用されません。一般的な前歯のガタつきの改善であれば、自費診療を前提に資金計画を立ててください。
質問②月々いくらくらいの分割払いが可能ですか?
多くのクリニックでは、デンタルローンを利用した分割払いに対応しています。前歯のみの矯正であれば、月々3,000円〜5,000円程度の支払いで始められるプランを提供しているところも多いです。
一括払いが難しい場合でも、月々の負担を抑えて治療を開始できます。まずは、歯科医院に相談してみましょう。
質問③安いマウスピース矯正は質が悪いのでしょうか?
値段が安いからといって、必ずしも質が悪いわけではありません。前歯限定にして工程を簡略化したり、広告費を削ったりする工夫で低価格を実現しているブランドもあります。
価格よりも、事前のシミュレーションが丁寧か、歯科医師がしっかり診査してくれるかを重視してマウスピースを選びましょう。

納得のいく値段で前歯を綺麗にしよう!

前歯のマウスピース矯正は、気になる部分をピンポイントで改善できる効率的な治療法です。全体矯正の半分以下のコストや期間での完了できるなど、多くのメリットがあります。
しかし、症例によっては適応外となるケースや、装着時間の自己管理が必要といった注意点も存在します。納得のいく結果を得るためには「価格」だけで選ぶのではなく、以下のポイントを意識してください。
- ポイント①自分に合ったブランドを比較する
- ポイント②追加費用の有無を事前に確認する
- ポイント③通院回数とサポート体制で選ぶ
治療中はマウスピースによごれが溜まりやすくなるため、専用の洗浄剤を使用して清潔に保つのが、虫歯予防と治療をスムーズに進めるコツです。なお「お口のお店Oral Care Shop」では、お口の悩みを持つすべての人のために、歯ブラシや入れ歯洗浄剤など、歯科医師に認められたオーラルケア商品を販売しています。
いずれの商品も、歯科技工士が自信を持っておすすめする商品です。ぜひ、お口の健康維持にお役立てください。⇒お口のお店Oral Care Shopはこちら

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