八重歯は見た目の印象に関わるだけでなく、お口の健康にも影響を及ぼす可能性があります。本記事では、八重歯が生じる原因から、マウスピース矯正の可能性まで詳しく解説します。
八重歯でお悩みの方はもちろん、マウスピース矯正に興味をお持ちの方にも役立つ情報が満載です。自分に合った矯正方法を見つけるための参考にしてください。
八重歯の原因
八重歯とは、上顎の犬歯（糸切り歯）が他の歯の列からはみ出して、前に突き出している状態を指します。八重歯は主に、以下の2つの原因で生じます。
- 顎が小さくて歯が生えるスペースが足りない
- 歯のサイズが大きい
詳しく解説しましょう。
顎が小さくて歯が生えるスペースがない
顎のサイズが小さいと、歯が生えるスペースが不足し、歯が押し合うことで一部が外側や内側にずれてしまいます。特に現代人は顎が小さくなりやすく、八重歯ができやすいのです。
また、生え変わりの時期に乳歯が早く抜けて、横の歯が傾き、スペースがなくなるケースもあります。
歯のサイズが大きい
歯の大きさには人それぞれ違いがあり、必ずしも顎の大きさとバランスが取れているとは限りません。たとえ顎の大きさに異常がなくても、歯が平均より大きいと生える場所が不足し、歯並びが乱れる原因になります。
このようなズレは自然な噛み合わせに影響を与える場合もあり、見た目だけでなく機能面でも問題が生じる可能性があります。
八重歯を放置するリスクは3つ
八重歯は見た目の特徴として個性的な印象を与える場合もありますが、放置すると様々な口腔内のトラブルを引き起こす可能性があります。八重歯を放置する3つのリスクについて、お伝えしましょう。
1.虫歯や歯周病になりやすい
八重歯は歯並びの乱れによって清掃が難しくなりやすい箇所です。歯と歯の間に隙間が少なく、歯ブラシの毛先が届きにくいため、汚れや細菌が溜まりやすくなります。
その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。特に、隣接する歯にも影響を及ぼすケースがあり、放置すると症状が広がる可能性もあるでしょう。丁寧なケアが必要です。
2.口内炎やケガの原因になりやすい
八重歯が前方に突き出ていると、日常生活の中で口腔内に負担をかける場面が増えます。会話や食事の際に唇や頬の内側と接触しやすく、繰り返し刺激を受けると口内炎ができやすくなるでしょう。
また、転んだときには飛び出した歯が原因で口元を切るなど、思わぬケガにつながる場合もあるため、注意が必要です。
3.噛み合わせが悪く奥歯に負担がかかりやすい
八重歯があると、噛み合わせのバランスが崩れやすくなり、他の歯に大きな負担がかかるようになります。
特に、通常なら噛む際に重要な役割を果たす犬歯が正しい位置にないと、噛み切る動作がスムーズに行えません。結果として、奥歯に負担が集中してしまいます。
この状態が続くと、奥歯の摩耗や破損のリスクが高まり、長期的には歯の寿命を縮める原因となる場合もあります。
マウスピースで八重歯は矯正できる？
八重歯の矯正方法として、近年人気が高まっているのがマウスピース矯正です。しかし「八重歯でもマウスピース矯正は可能なの？」と疑問をお持ちの方は多のではないでしょうか。
ここからは、マウスピースで矯正できる例と、できない例を紹介します。
矯正できる歯並びの例
マウスピース矯正は、見た目に目立ちにくく、取り外し可能な点が魅力です。八重歯や出っ歯、受け口、歯のすき間など、幅広い歯並びの改善に対応できます。
ただし、すべてのケースに適応できるわけではなく、歯の重なりが著しく強い場合や骨格に関わる問題があると、他の治療法が必要になる場合もあります。正確な診断が治療成功のポイントとなるでしょう。
矯正できない歯並びの例
マウスピース矯正は多くの八重歯に対応できますが、すべての症例が対象となるわけではありません。
たとえば、歯の位置のズレが大きい場合や、噛み合わせが深く上下の歯が強く重なる過蓋咬合などでは、マウスピースだけでは十分な矯正効果が得られない場合があります。
また、骨格の成長や歯列全体に問題があるケースでは、外科的処置や他の矯正方法を併用しなければなりません。専門医の診断が重要です。
関連記事：マウスピース矯正できない7つの例とは？できない例に該当する場合の選択肢も徹底解説！
マウスピースで八重歯を矯正するメリットは3つ
審美性や快適さを重視する方にとって、マウスピース矯正は魅力的な選択肢となっています。ここからは、マウスピース矯正で八重歯を治療する際の具体的なメリットを見ていきましょう。
1.装置が目立たない
マウスピース矯正の魅力のひとつは、装着時の見た目にほとんど変化がない点です。透明な素材で作られているため、装着していても自然な口元を保てます。
仕事や日常生活の中で他人に気づかれにくく、特に人前で話す機会が多い人にとっては、大きな安心材料となるでしょう。見た目への配慮が行き届いた治療法として、多くの方に支持されています。
2.取り外しができる
マウスピース矯正は、自分で装置を取り外せる点が大きな特長です。食事のたびに外せるため、普段通りの食事を楽しめ、食べ物の制限に悩まされる心配がありません。
また、歯磨きやフロスも普段通りに行えるため、口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスク軽減にもつながります。ただし、装着時間を守らないと矯正効果に影響が出るため注意が必要です。
3.痛みが少ない
マウスピース矯正は、快適さを重視した治療法として注目されています。装置が滑らかで口の中に当たる部分が少なく、粘膜や舌を傷つけにくいのが特徴です。
さらに、少しずつ歯を動かす設計のため、急激な圧力による痛みも抑えられます。ワイヤー矯正に比べて負担が少なく、矯正中のストレスを軽減したい方にとって、安心して取り組める選択肢といえるでしょう。
マウスピースで八重歯を矯正する場合の注意点は3つ
八重歯はマウスピース矯正で改善できるケースが多いものの、治療を成功させるためにはいくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。
ここからは、マウスピースで八重歯を矯正する際に、知っておくべき3つの注意点について詳しく解説します。
1.長時間装着しなければならない
マウスピース矯正は装置の着脱が可能な反面、計画通りに歯を動かすためには高い自己管理が求められます。理想的な装着時間は1日20時間以上とされており、守らないと矯正がスムーズに進まず、結果にも影響が出る可能性があります。
とくに、長時間外したままにするとマウスピースが合わなくなる恐れがあるため、異常を感じた場合は早めに歯科医院に相談するのが大切です。
2.適応できないケースがある
マウスピース矯正は、段階的に歯を動かして理想の位置に整える方法ですが、すべての症例に適しているわけではありません。歯の重なりが大きい重度の八重歯や、骨格のずれが原因となっている場合には、十分な効果が得られにくくなります。
そのようなケースでは、ワイヤー矯正や外科的処置といった他の治療法を組み合わせる可能性もあります。
3.歯科医師の技術によって結果が左右される
マウスピース矯正は手軽に始められる反面、治療を受ける歯科医院の選択がとても重要です。担当医の知識や経験によって、治療結果に大きな差が出る場合もあります。
料金の安さだけで決めてしまうと、後から思うように歯並びが整わず、再治療が難しくなるケースも考えられるでしょう。納得のいく治療を受けるためにも、過去の症例や実績を確認し、十分に比較検討して選んでください。
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マウスピース八重歯でよくある3つの質問
八重歯のマウスピース矯正を検討される方は、治療前にさまざまな疑問や不安をお持ちでしょう。
この章では、患者さんからよく寄せられる質問について、専門的な観点からわかりやすく解説します。治療を始める前に疑問点を解消しておくと、より安心して矯正治療に臨めるでしょう。
質問1.八重歯を抜くと顔はどう変わる？
八重歯を抜歯すると、顔の印象に変化が現れる可能性があります。とくに口元の突出が軽減されるため、すっきりとした見た目になるケースもあるでしょう。
ただし、八重歯は安易に抜くものではなく、通常は噛み合わせや機能面を考慮して小臼歯を抜くのが一般的です。
抜歯によって口元が引っ込みすぎると、逆にほうれい線が強調される場合もあるため、見た目の変化だけで判断せず、専門医と十分に相談した上で治療方針を決めましょう。
関連記事：八重歯を抜くと顔はどう変わる？後悔する理由や抜歯してはいけないケースをご紹介！
質問2.八重歯のマウスピース矯正費用の目安は？
マウスピース矯正で八重歯を治す場合、治療範囲によって費用が大きく異なります。部分的な矯正なら約20万〜50万円程度、全体の歯並びを整える全顎矯正では約40万〜120万円ほどかかるのが一般的です。
さらに、通院時の再診料や追加処置にかかる費用が別途必要になる可能性もあります。自由診療であるため保険は適用されず、クリニックごとに料金設定も異なるため、事前に確認しておくのが大切です。
関連記事：マウスピース矯正が「保険適用外」の理由とは？保険適用されるケースや費用相場をご紹介！
質問3.八重歯のマウスピース矯正の治療期間の目安は？
マウスピース矯正で八重歯を整える場合、治療期間は部分矯正なら数ヶ月から1年程度、全体の矯正では1年から3年が目安とされています。ただし、この期間は1日20時間以上の装着を継続できた場合に限られます。
装着時間が不足すると、予定より長引く可能性があるでしょう。また、歯を動かす治療が終わった後には、歯並びの後戻りを防ぐ「保定期間」が必要となるため、全体としては長期的な計画が必要です。
まとめ
八重歯は見た目の問題だけでなく、お口の健康にも影響を及ぼします。放置すると虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、噛み合わせの問題から奥歯への負担も増加してしまうでしょう。
マウスピース矯正は八重歯の改善に効果的な選択肢の一つです。矯正を検討される際は、信頼できる矯正歯科専門医に相談し、ご自身の歯並びに最適な治療法を選択してください。
なお「お口のお店Oral Care Shop」では、お口の悩みを持つすべての人のために、歯ブラシや入れ歯洗浄剤など、歯科医師に認められたオーラルケア商品を販売しています。
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