虫歯予防のためにフッ素入りの歯磨き粉を使いたいけれど、情報が多すぎて、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では、フッ素濃度に関する正しい知識と、年齢別の適切な選び方、使用上の注意点を分かりやすく解説します。
記事を読めば、疑問や不安が解消され、自信を持って自分に合った歯磨き粉を選べるようになります。

フッ素濃度が高い歯磨き粉を選ぶべき理由は3つ

現在日本国内で販売されている歯磨き粉は、フッ素の上限濃度に近く、虫歯予防において高い効果が期待できるとして知られています。ここでは、なぜフッ素濃度が高い歯磨き粉を選ぶべきなのか、3つの理由を解説します。
1.虫歯予防効果の高さ
フッ素濃度が高い歯磨き粉は、従来の濃度と比較して、虫歯の予防効果が向上すると考えられています。フッ素は、歯の表面にあるエナメル質を強化し、初期の虫歯を修復する「再石灰化」を促進する働きがあるためです。
高濃度フッ素は、より多くのフッ素イオンが歯に供給されるため、再石灰化効果がさらに高まります。特に、虫歯になりやすい方や、歯の根元が露出している方にとって、高い予防効果を期待できるのがメリットです。
2.世界的な推奨濃度との合致
日本の高濃度フッ素は、WHO(世界保健機関)をはじめとする各国の推奨濃度とも一致しています。2017年には、日本の厚生労働省もフッ素の上限濃度をこれまでの1,000ppmから1,500ppmに引き上げ、より効果的な虫歯予防を推奨する動きがみられます。
この濃度は、多くの学術研究によって有効性が証明されており、世界中の歯科専門家が推奨する基準です。
3.大人から子どもまで使用できる汎用性
フッ素濃度が高い歯磨き粉は、大人だけでなく6歳以上の子供にも使用が推奨されています。乳歯から永久歯に生え変わる時期の子供は、歯質がまだ未熟なため虫歯のリスクが高まります。
そのため、より高い虫歯予防効果を持つ高濃度フッ素が有効です。ただし、年齢によって使用量が異なるため、後述の年齢別の使用量目安を必ず守るのが大切です。適切な使用量を守れば、家族みんなで使える汎用性の高さも魅力です。

【年齢別】適切なフッ素濃度と使用量

フッ素は年齢や口腔内の状況によって、適切な濃度と使用量が異なります。ここでは、年齢別の推奨フッ素濃度と、1回の歯磨きで使用すべき量の目安について解説します。
0〜5歳:500〜1,000ppm
歯が生え始めたばかりの0歳から5歳頃までの乳幼児には、フッ素濃度500ppm〜1,000ppmの歯磨き粉が推奨されます。この時期の子供は、うがいがまだ十分にできないため、歯磨き粉を飲み込んでしまう可能性があります。
そのため、リスクを避けるために低めの濃度が推奨されているのです。1回あたりの使用量は、0〜2歳は米粒大(1〜2mm)、3〜5歳はグリーンピース大(5mm程度)が目安です。
6〜14歳:1,000〜1,450ppm
永久歯に生え変わる時期である6歳から14歳までの子供には、フッ素濃度1,000ppm〜1,450ppmの歯磨き粉が適しています。この年齢になると、うがいも上手になり、歯質も大人に近づいていきます。
そのため、より高いフッ素濃度の歯磨き粉で虫歯予防効果を高めると効果的です。使用量の目安は、歯ブラシ全体に広がるように1.5〜2cm程度です。
15歳以上(成人):高濃度フッ素
永久歯が生え揃った15歳以上では、フッ素濃度が高い歯磨き粉が最もおすすめです。大人は、歯周病や加齢によって歯の根元が露出し、そこから虫歯になる「根面う蝕」のリスクが高まります。
高濃度フッ素は、根面う蝕の予防にも効果的です。使用量の目安は、歯ブラシ全体にたっぷりのせる2cm程度です。ただし、虫歯リスクが低い場合は、無理に高濃度を選ぶ必要はありません。

フッ素濃度が高い歯磨き粉選びの注意点は3つ

フッ素濃度が高い歯磨き粉は、虫歯予防に非常に有効ですが、効果を最大限に引き出し、安全に使用するためにはいくつかの注意点があります。これから紹介する3つのポイントをしっかり確認しておきましょう。
1.研磨剤や発泡剤の有無
歯磨き粉には、フッ素以外にもさまざまな成分が含まれています。例えば、研磨剤は歯の着色汚れを落とす効果があります。
しかし、歯の表面を傷つける可能性があるため、知覚過敏の方や歯のダメージが気になる方は、研磨剤が含まれていない歯磨き粉を選ぶのがおすすめです。また、発泡剤は泡立ちを良くして爽快感を得られますが、泡立ちすぎるとすぐに歯磨きを終えてしまい、十分なブラッシングができない場合もあります。
なお、歯ブラシの種類と特徴について知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
関連記事:【基本編】歯ブラシの種類と特徴|自分にぴったりの歯ブラシを使い分けよう!よくある質問もご紹介 – 歯科技工所|株式会社シケン コラム
2.使用後のうがいの回数
フッ素の虫歯予防効果は、歯の表面にフッ素が長く留まるほど高まります。そのため、歯磨き後のうがいは少量の水で1回程度に留めるのが効果的です。
うがいをしすぎると、せっかく歯に付着したフッ素が洗い流されてしまい、フッ素の再石灰化効果が薄れてしまいます。歯磨き粉のパッケージに記載されている「少量で」「1回のうがいで」といった指示に従うのも大切です。
3.小さな子どもがいるご家庭での保管方法
フッ素濃度が高い歯磨き粉は、大人が使用する分には安全です。しかし、小さなお子さんが大量に飲み込んでしまうと、フッ素中毒や「斑状歯」と呼ばれる歯に白い斑点が現れる症状を引き起こす可能性があります。
そのため、お子さんの手の届かない場所に保管したり、使用量を厳守したりといった注意が必要です。体重10kgの子どもの場合、フッ素濃度が高い歯磨き粉を約13g飲み込むと中毒量に達するとされており、これはチューブの約1/10程度の量に相当します。

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フッ素 濃度 歯磨き粉でよくある3つの質問

フッ素濃度歯磨き粉でよくある質問を紹介します。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.フッ素の過剰摂取は危険ですか?
フッ素は、適量を守って使用すれば安全な成分です。しかし、歯磨き粉を大量に飲み込むなど、異常な量を摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があります。
特に小さなお子さんの場合は、体重が軽いため、少量でも中毒量に達するリスクがあるため注意が必要です。また、歯の形成期に慢性的に過剰摂取を続けると、歯の表面に白い斑点ができる「斑状歯」の原因となる場合があります。
質問2.歯磨き粉にフッ素濃度の記載がないのはなぜですか?
日本国内の薬機法では、フッ素濃度1,000ppm以上の歯磨き粉には濃度の表示が義務付けられています。しかし、1,000ppm未満の場合は表示義務がないため、濃度の記載がない製品も多く存在します。
これらの製品は、必ずしも虫歯予防効果がないわけではありません。しかし、高濃度フッ素に比べて効果が劣る可能性があります。より高い虫歯予防効果を期待する場合は「高濃度フッ素配合」と明記されている製品を選ぶと良いでしょう。
質問3.フッ素配合の歯磨き粉を使うだけで虫歯は防げますか?
フッ素配合の歯磨き粉は虫歯予防に非常に有効です。しかし、虫歯を完全に防ぐことはできません。歯磨き粉はあくまで補助的なものであり、最も重要なのは正しいブラッシング方法で歯垢(プラーク)を物理的に除去する磨き方です。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用して、歯ブラシが届きにくい部分の汚れも丁寧に取り除くことが大切です。また、定期的に歯科医院でフッ素塗布やクリーニングを受けると、より効果的な虫歯予防につながります。
なお、イオン歯ブラシの効果について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:イオン歯ブラシとは?歯垢除去できる理由や3つの効果、メリット・デメリットをご紹介! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

まとめ

フッ素は、虫歯予防に欠かせない重要な成分であり、特にフッ素濃度が高い歯磨き粉は、大人から6歳以上の子どもまで高い効果が期待できます。
年齢に応じた適切な濃度と使用量を守り、研磨剤や発泡剤の有無、うがいの回数といったポイントにも注意して歯磨きを行うと、虫歯になりにくい健康な歯を保てるでしょう。
また、毎日のセルフケアに加え、歯科医院での定期的な検診やフッ素塗布を組み合わせれば、さらに虫歯予防効果を高められます。
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