歯医者に通う頻度は、一般的に「3か月に1回」程度が目安とされています。もちろん、お口の状態によって個人差はありますが、虫歯や歯周病を未然に防ぐためには、定期的なチェックは欠かせません。
「痛くないのに、頻度を守って歯医者に通う必要があるの？」と感じる方は少なくないでしょう。定期的な通院をおすすめする理由は、3つあります。
- 理由①バイオフィルムが再形成される期間のため
- 理由②初期の虫歯や歯周病を発見できるため
- 理由②初期の虫歯や歯周病を発見できるため
歯の治療は、痛みが出てからでは手遅れになるケースが多く、治療費や期間も余計にかかってしまいます。定期検診を受ければ、早期発見・早期治療につながり、結果的に歯を長く残せるのです。
本記事では、歯医者の適切な通院頻度は3か月に1回といわれる理由、無理なく続けるポイントや歯の状態別に通う頻度を解説します。
歯医者の検診頻度は3か月に1回といわれる3つの理由
多くの歯科医師が推奨する「3か月に1回」という頻度には、医学的な根拠や明確なメリットが存在します。なぜこの期間が最適とされるのか、理由を深掘りしていきましょう。
理由①バイオフィルムが再形成される期間のため
口内細菌の塊である「バイオフィルム」や歯石は、毎日の歯磨きだけでは完全に落とせません。これらは一度除去しても、約3ヶ月かけて再び形成され、悪影響を及ぼすレベルに達すると言われています。
専門的なクリーニング（PMTC）を受けると、セルフケアでは取りきれない汚れを一掃し、口腔内の環境をリセットできます。ケアサイクルに合わせて通院するのが、虫歯や歯周病の予防に最も効果的です。
なお、歯石と歯垢の違いについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事：歯石と歯垢の違いとは？つきやすい場所や放置するリスク、予防方法を詳しくご紹介！ – 歯科技工所｜株式会社シケン コラム
理由②初期の虫歯や歯周病を発見できるため
虫歯や歯周病は、初期段階では自覚症状がほとんどありません。「痛い」と感じたときには、すでに進行してしまっているケースが多いのです。
3か月ごとに歯医者でチェックすれば、異常があってもごく初期の段階で発見できます。 初期段階であれば、歯を削らずに済んだり、簡単な処置で終わったりします。
大切な歯を守るためにも、症状が出る前の受診が大切です。
理由③全身の健康維持につながるため
近年、歯周病と全身疾患（糖尿病、心疾患、誤嚥性肺炎など）との関連性が明らかになっています。お口の健康を保つのは、歯を守るだけでなく、全身の健康管理にも直結しているのです。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」などでも、定期的な歯科検診の重要性を啓発しています。定期的にプロのチェックを受けるのは、将来的な医療費の削減や健康寿命の延伸にも寄与する賢い選択です。
歯医者での定期検診を無理なく続けるための3つのコツ
「忙しくてつい後回しにしてしまう」という方のために、定期検診を習慣化し、より効果を高めるコツを3つ紹介します。
コツ①自分に合った検診ペースを把握する
「3か月に1回」は目安であり、お口の状態によって最適な頻度は異なります。リスクが高い方は短めの間隔、状態が良い方は長めの間隔が提案される場合もあるのです。
◆リスクレベル別の推奨頻度目安表
| リスクレベル | お口の状態 | 推奨頻度 |
| 高リスク | 歯周病進行中、虫歯が多い | 1〜2か月に1回 |
| 中リスク | 詰め物が多い、磨き残しがある | 3〜4か月に1回 |
| 低リスク | お口の健康状態が良好 | 6か月に1回 |
まずは歯科医師や歯科衛生士に相談し、自分にとってベストなタイミングの確認から始めましょう。
コツ②次回の予約をその場で取る習慣をつける
検診が終わった会計時に、3か月後の予約を取ってしまうのが最も確実な方法です。「予定がわかってから電話しよう」と思うと、ついつい忘れ、足が遠のく原因になりかねません。
もし予定が変わっても、電話で変更すれば問題ありません。まずは「予約を入れる」行動を確定させれば、通院のハードルをぐっと下げられます。
スマホのカレンダーにその場で入力し、リマインダーを設定するのもおすすめです。
コツ③自宅でのセルフケアグッズを見直す
定期検診の効果を持続させるためには、次回の検診までの期間、自宅でどれだけ丁寧にケアできるかがポイントです。自分のお口に合った歯ブラシや、デンタルフロス、歯間ブラシを適切に使用しましょう。
歯科医院でブラッシング指導を受ける際に、おすすめのケア用品を聞いてみるのも良い方法です。適切な道具を使えば、日々の歯磨きの質が格段に向上します。
なお、正しい歯ブラシの選び方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事：【歯科技工のプロが教える】正しい歯ブラシの選び方｜年齢やお悩みにあわせて詳しく解説します！ – 歯科技工所｜株式会社シケン コラム
【状態別】歯医者に通うべき頻度の目安
年齢やライフステージ、治療状況によって、推奨される通院頻度は変化します。ここでは一般的なケースの目安をお伝えしましょう。
目安①子ども（乳幼児〜小学生）の場合
子どもの歯は大人に比べて柔らかく、虫歯の進行が非常に早いため、3か月ごとの検診をおすすめします。乳歯から永久歯への生え変わり期は、特に予防処置として歯並びの確認やフッ素塗布など、多くの対応が必要です。
子どもの頃から歯科医院に慣れ親しんでおけば、歯医者嫌いを防ぐ効果も見込めます。学校の歯科検診だけでなく、かかりつけ医での詳細なチェックを受けましょう。
目安②歯周病治療中やリスクが高い人の場合
歯周病の治療中の方や、歯石がつきやすい体質の方は、1ヶ月〜2ヶ月に1回の頻度が望ましい場合があります。歯周ポケットの深い部分の清掃はプロの手でなければ難しく、放置するとすぐに細菌が繁殖してしまうのです。
また、喫煙習慣がある方や糖尿病の方は歯周病が悪化しやすいため、よりこまめなメンテナンスが必要です。歯科医師の指示に従い、集中的にケアを行いましょう。
目安③矯正治療中や入れ歯を使用している場合
矯正治療中は装置の周りに汚れが溜まりやすく、虫歯のリスクが高まるため、毎月の調整日に合わせてクリーニングを受けるのが一般的です。装置の調整と同時にプロのケアを受ければ、トラブルを防げるでしょう。
入れ歯を使用している場合も、入れ歯の調整や残っている歯のケアが必要です。合わない入れ歯を使い続けると、歯茎や骨にダメージを与える可能性があるため、3か月〜半年に1回はチェックを受けましょう。
オーラルケアなら「お口のお店 Oral Care Shop」
定期検診はもちろん大切ですが、次回の検診までの3か月間、お口の健康を守るのは毎日のセルフケアです。自分に合った質の高いケア用品を選ぶなら、専門家が運営するショップをおすすめします。
歯科技工所が運営するオーラルケア商品専門店である「お口のお店Oral Care Shop」は、お口の悩みを抱える多くの方にとって理想的な選択肢です。歯科医師が認めた選りすぐりの商品のみを取り扱っているため、安心して商品を選べます。
当ショップの特徴は、歯科技工士の視点から厳選した商品ラインナップです。歯科技工士は、歯や口腔内の構造について熟知している専門家のため、お客様のお口の状態や悩みに最適な商品選びをサポート可能です。
取り扱い商品は多岐にわたり、歯ブラシやデンタルリンス、替えブラシなど、毎日のオーラルケアに必要なアイテムが揃っています。さらに、入れ歯洗浄剤やマウスピース洗浄剤など、特別なケアのための商品も充実しており、さまざまなニーズに対応できます。
いずれの商品も、歯科技工士が自信を持っておすすめする商品です。ぜひ、お口の健康維持にお役立てください。⇒お口のお店Oral Care Shopはこちら
歯医者の頻度についてよくある3つの質問
ここでは、歯医者の検診頻度に関して、よくある質問を3つ紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
質問①しばらく行っていないので行きづらいですが大丈夫ですか？
期間が空いてしまった方こそ、早期の受診が必要です。「怒られるかもしれない」「状態が悪くて恥ずかしい」と不安を感じる必要は一切ありません。
歯科医師やスタッフは、患者さんが再びお口の健康と向き合うために来院してくれるのを歓迎しています。放置してさらに悪化させてしまう前に、今の状態を正しく把握し、適切なケアを受けるのが何よりも大切です。
勇気を出して予約を入れ、スッキリとした気持ちで健康な生活への再スタートを切りましょう。
質問②定期検診の費用はどれくらいかかりますか？
保険適用の場合、一般的な定期検診（検査、クリーニング、指導など）の費用は、3,000円〜4,000円程度が目安です。レントゲン撮影の有無や処置内容によって変動する可能性があります。
虫歯や歯周病の治療が必要になった場合は、別途費用がかかりますが、重症化してから治療するよりもトータルの医療費は安く抑えられるでしょう。
質問③歯磨きが完璧なら通わなくてもいいですか？
どれだけ丁寧に歯磨きをしていても、定期的な通院は不可欠です。どんなに上手なセルフケアでも、汚れの除去率は約60%〜80%が限界だと言われています。
歯ブラシが届かない歯周ポケットの奥や、強固に付着したバイオフィルムという細菌の膜は、プロの専用機器でなければ除去できません。自己判断で通院をやめてしまうと、見えない部分で虫歯や歯周病が進行するリスクが高まります。
毎日のセルフケアとプロによる検診、この両方を組み合わせてお口の健康を守りましょう。
定期的な通院でお口の健康を守ろう！
歯医者に通う頻度は「3か月に1回」を目安にしつつ、各自のリスクに合わせて調整するのが大切です。定期的にプロのチェックを受ければ、虫歯や歯周病を予防し、一生自分の歯で美味しく食事を楽しめるでしょう。
定期健診を無理なく続けるコツは、以下のとおりです。
- コツ①自分に合った検診ペースを把握する
- コツ②次回の予約をその場で取る習慣をつける
- コツ③自宅でのセルフケアグッズを見直す
「きれいにするために行く場所」として歯医者を活用すれば、通院も苦ではなくなります。あなたの未来の健康は、行動次第です。
また、通院と合わせて大切なのが日々のホームケアです。歯ブラシの毛先が開いていないか、自分に合った歯磨き粉を使っているか、この機会に見直してみるのも良いでしょう。
なお「お口のお店Oral Care Shop」では、お口の悩みを持つすべての人のために、歯ブラシや入れ歯洗浄剤など、歯科医師に認められたオーラルケア商品を販売しています。
いずれの商品も、歯科技工士が自信を持っておすすめする商品です。ぜひ、お口の健康維持にお役立てください。⇒お口のお店Oral Care Shopはこちら
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