頭痛の原因が分からず、薬を飲んで対処している方は少なくありません。原因不明の頭痛は、噛み合わせの乱れが関係している可能性があります。
本記事では、噛み合わせが頭痛を引き起こすメカニズムや、具体的な症状、ご自身でできる対策を解説します。つらい頭痛が噛み合わせによるものかどうかを見極めて、根本的な解決への第一歩を踏み出しましょう。

噛み合わせが原因で起こる頭痛の特徴

噛み合わせが原因の頭痛には、いくつかの特徴があります。この章で紹介する症状に心当たりがあれば、噛み合わせの問題が関係しているかもしれません。
頭痛が起こるタイミング
噛み合わせが原因の頭痛は、朝起きた時や長時間のデスクワーク後に顕著に現れる場合があります。これは、就寝中の歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばりによって、顎や顔の筋肉が過度に緊張するためです。
嚙み合わせが原因の場合、市販の頭痛薬を飲んでも改善されにくく、慢性的な痛みが続くのが特徴です。
痛みの場所や種類
噛み合わせの不調による頭痛は、こめかみや後頭部に締め付けられるような痛みが生じるケースが多いです。また、片側の歯だけで噛む癖がある場合、痛みが左右どちらかに偏る場合があります。
このような頭痛は、気候や寝不足といった一般的な原因とは関係なく、日常的に発生するのが特徴です。

噛み合わせによる頭痛の3つの原因

噛み合わせの乱れが頭痛を引き起こす主な原因は次の3つに分けられます。
- 過緊張と血行不良
- 姿勢の歪み
- 顎関節症
それぞれの原因がどのように頭痛につながるのかを詳しく見ていきましょう。
1.筋肉の過緊張と血行不良
噛み合わせが悪いと、顎を動かす咬筋(こうきん)や側頭筋(そくとうきん)といった顔周りの筋肉に常に余分な力が加わります。この状態が慢性的に続くと、筋肉がこり固まり、血行が悪化してしまうのです。
結果として、頭の周囲に十分な酸素や栄養が行き渡らず、締め付けられるような痛みや重だるい頭痛を引き起こすのです。
2.姿勢のバランスの崩れ
噛み合わせは、頭の位置を安定させ、体のバランスを保つ重要な土台です。しかし、噛み合わせが正しくないと、顎の位置がずれる原因になってしまいます。
顎の位置がずれると、頭を支える首や肩の筋肉に無理な負担がかかり、その緊張が首や肩こりを伴う頭痛を引き起こすのです。
3.顎関節症の発症
噛み合わせの不調は、顎の関節やその周辺の組織に負担をかけ、顎関節症を発症させる原因です。顎関節症になると、口を開けるときに痛みやクリック音が生じたり、口が大きく開けられなくなったりします。
顎関節の不調が、側頭部や後頭部に広がる頭痛を引き起こす場合があるのです。
なお、顎関節症の治療で使われるマウスピースについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
関連記事:顎関節症の治療で使われるマウスピースとは?3つの役割と治療の流れをご紹介! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

噛み合わせによる頭痛の3つの対策

噛み合わせが原因で起こる頭痛には、歯科医院での治療が有効ですが、自分でできる対策もあります。この章では、セルフケアから専門的な治療法までを紹介します。
1.正しい噛み方を意識する
食事の際は、左右の歯でバランスよく噛むように意識しましょう。片側だけで噛む癖があると、顎の筋肉に不均衡な負担がかかり、頭痛の原因となります。また、硬すぎる食べ物や、ガムを長時間噛み続けるのも顎への負担を増やすため、控えるようにしてください。
これらの工夫は、顎関節や筋肉の負担軽減にもつながります。
2.生活習慣の改善
噛み合わせの不調や頭痛は、ストレスや姿勢の悪さといった生活習慣に影響されます。日頃から良い姿勢を保つよう心がけ、肩や首の筋肉をほぐすストレッチを定期的に取り入れましょう。
また、睡眠中の歯ぎしりや日中の無意識な食いしばりは、顎の筋肉を緊張させます。リラックスできる環境を整え、ストレスを軽減するのも大切です。
3.歯科医院での専門的な治療
噛み合わせに起因する頭痛を根本的に解決するためには、歯科医師による専門的な治療が不可欠です。治療法としては、噛み合わせのバランスを整える咬合調整や、歯並びを改善する矯正治療などがあります。
また、夜間の歯ぎしりや食いしばりを防ぐために、個人に合わせたマウスピースを装着する治療も効果的です。これらの治療は、顎関節や筋肉への負担を軽減し、頭痛の緩和につながります。
なお、マウスピースの効果については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:【歯ぎしり・食いしばり対策に】マウスピースの効果は4つ|種類や注意点、よくある質問まで徹底解説! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

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「噛み合わせが原因の頭痛」でよくある3つの質問

噛み合わせが原因の頭痛について、よくある質問を紹介します。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
質問1.噛み合わせの治療に保険は適用されますか?
噛み合わせの治療は、目的によって保険適用かどうかが異なります。顎関節症の治療としてマウスピースを使用する場合は、保険が適用されるケースがほとんどです。
一方、歯並びを整える矯正治療は、審美目的と見なされる場合が多いため、基本的に保険適用外となります。まずは歯科医院で、相談してみましょう。
なお、マウスピース矯正が「保険適用外」の理由については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:マウスピース矯正が「保険適用外」の理由とは?保険適用されるケースや費用相場をご紹介! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム
質問2.噛み合わせは自分で治せますか?
噛み合わせの根本的な問題を、自分で完全に治すのは難しいでしょう。しかし、正しい噛み方を意識したり、顎や首の筋肉をマッサージしたりするなど、症状の緩和につながる対策はできます。
歯並びの乱れや歯の欠損など構造的な問題の場合は、歯科医師による専門的な治療が不可欠です。
質問3.噛み合わせが悪いと頭痛以外にも症状が出ますか?
噛み合わせの不調は、頭痛だけでなく全身にさまざまな症状を引き起こす可能性があります。肩こりや首の痛み、腰痛、めまい、耳鳴り、不眠などは代表的な症状です。
これらの症状は「咬合関連症」と呼ばれ、歯科的な問題が原因で生じる不定愁訴(原因不明の体調不良)の可能性があります。

まとめ

頭痛は顔や顎の筋肉の過緊張や姿勢の歪み、顎関節症によって引き起こされる場合があります。これらの頭痛は、朝起きた時や長時間同じ姿勢を取った後などに、こめかみや後頭部に締め付けられるような痛みとして現れるのが特徴です。
まずは正しい噛み方を意識したり、生活習慣を改善したりする対策を取り入れてみましょう。しかし、根本的な解決のためには、歯科医院での専門的な診断と治療が不可欠です。
原因不明の慢性的な頭痛に悩んでいる方は、一度歯科医師に相談してみると良いでしょう。
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