歯磨き粉の量は、年齢によって大きく異なります。多すぎると口内トラブルの原因になり、少なすぎると十分なケアができません。
本記事では、赤ちゃんから大人まで年齢別の適切な歯磨き粉量や、目的別の選び方まで徹底解説します。自分に合った正しい歯磨き粉の量を知って、お口の健康を守りましょう。

歯磨き粉の適切な使用量はどれくらい?

引用:厚生労働省「フッ化物配合歯磨剤の年齢別応用量とフッ化物イオン濃度」
歯磨き粉の量は、年齢や口腔状態によって調整するのがベストです。特に小さなお子さんの場合は、フッ素の摂取量にも配慮が必要です。
ここでは年齢別に最適な歯磨き粉の量を紹介します。
歯が生えてから2歳まで
赤ちゃんの歯が1本でも顔を出したら、丁寧なケアを始めるタイミングです。個人差はありますが、生後6〜9ヶ月ごろから乳歯が生え始めるのが一般的で、成長に合わせて歯磨き習慣をつけていくのが大切です。
1〜2mm程度の米粒大の歯磨き粉を使い、赤ちゃん用歯ブラシで1日2回、特に夜はしっかり磨きましょう。また、誤って歯磨き粉を口に入れてしまうリスクを避けるためにも、使用後は必ず手の届かない場所に保管するように心がけましょう。
3歳〜5歳
3歳から5歳にかけて乳歯が20本揃う時期は、歯磨きの習慣を身につける大切な段階です。歯磨き粉の量は5mmほど、グリーンピース大が適量とされています。
自分でブラシを持てるようになる子も多くなりますが、まだ手元が不安定なため、大人の見守りと仕上げ磨きは欠かせません。歯磨き粉の使いすぎには注意し、量を適切に調整できているか保護者が確認してあげると、虫歯予防にもつながります。
6歳〜成人
6歳を過ぎた子どもから大人までの歯磨き粉の適量は、歯ブラシの毛全体を覆う程度の1.5〜2cmが理想とされています。フッ素の効果をしっかりと得るためには、磨き終わった後に歯磨き粉を吐き出すだけで済ませるか、うがいをする場合でも少量の水でサッと行うのがポイントです。
高齢者や小学生以上の子どもは、自分でケアを行う時間が増えるため、正しい使用量やすすぎ方をあらかじめ指導しておきましょう。

歯磨き粉の量が多すぎる場合のデメリット

多くの人が「歯磨き粉は、たくさん使った方が効果的」と誤解していますが、実際には過剰な使用は以下のような問題を引き起こす場合があります。詳しく解説しましょう。
磨いたつもりになりやすい
歯磨き粉を多く使うと、泡がたくさん出てスースーした感覚に包まれ、しっかり磨けたように感じてしまいます。しかし、実際には泡のせいで、細かい部分の磨き残しが発生しやすくなります。
見た目や感覚に惑わされず、適量を守るのが大切です。フッ素などの有効成分を効果的に届けるためにも、歯磨き粉の量は控えめにし、時間をかけて丁寧にブラッシングする習慣を意識しましょう。
歯を傷つけるリスクがある
歯磨き粉には汚れを落とす研磨剤や泡立ちをよくする発泡剤など、さまざまな成分が含まれています。中でも研磨剤入りの製品は、使い方に注意が必要です。
過剰に使用したり力を入れて磨いたりすると、汚れだけでなく歯の表面を守るエナメル質まで削ってしまう可能性があります。日々のケアで大切なのは、適切な歯磨き粉の量を守りやさしく丁寧に磨く習慣です。
歯磨き粉を使用する前には必ず表示を確認し、自分に合った方法で口内環境を守りましょう。

【目的別】歯磨き粉の選び方

歯磨き粉は単に歯を磨くだけの製品ではなく、お口の悩みや目的に合わせて選べば効果的なオーラルケアが可能になります。ここでは、代表的な口腔の悩みや目的別に、どのような歯磨き粉を選べばよいのかをご紹介します。
歯周炎や歯周病で歯茎が敏感な場合
発泡剤として一般的に使用されるラウリル硫酸ナトリウムは、清涼感を得やすい一方で、人によっては粘膜に刺激を与える場合があります。さらに、強めの研磨成分が多く含まれた歯磨き粉は、汚れを落とす効果が高い反面、歯の表面を傷つけるリスクもあります。
歯茎が弱っていたり、歯周病の症状が出ていたりする方は、成分に注意しながら製品を選ぶのが大切です。刺激の少ない低研磨・低発泡タイプの歯磨き粉を使うと、毎日のケアがより安心して行えます。
関連記事:【歯科技工のプロが教える】口臭は歯周病が原因?気になる口臭の種類や特徴、治し方を徹底解説! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム
虫歯予防を重点にしたい場合
虫歯の予防を意識するなら、フッ素配合の歯磨き粉を取り入れるのが効果的です。フッ素には、歯の再石灰化を促し、虫歯菌が出す酸の働きを弱める作用があります。
また、初期段階の虫歯を修復するサポートも期待できるため、毎日のケアに取り入れる価値があります。生後6ヶ月以降の赤ちゃんにも使えますが、年齢に応じた適正な濃度と使用量を守るのが重要です。
特に乳幼児には1000ppm以下の濃度で、少量を目安に使用するようにしましょう。
参考:国立保健医療科学院「フッ化物葉、なぜ、むし歯予防をするのでしょうか?」
黄ばみのケアをしたい場合
歯の黄ばみや着色が気になる場合、ホワイトニング成分が含まれた歯磨き粉を活用するのも一つの方法です。中でも、TTP(ポリリン酸ナトリウム)配合の製品は、汚れを浮かせて落とす作用に加え、再び汚れが付着するのを防ぐ働きもあります。
毎日のケアに取り入れやすく、特別な手間なく自然な白さを目指せるのが魅力です。コーヒーや紅茶などの着色が気になる方は、普段の歯磨きでの対策としてTTP配合の歯磨き粉を選んでみましょう。

オーラルケア商品の購入に「お口のお店 Oral Care Shop」がおすすめな理由

歯科技工所が運営するオーラルケア商品専門店である「お口のお店Oral Care Shop」は、お口の悩みを抱える多くの方にとって理想的な選択肢です。歯科医師が認めた選りすぐりの商品のみを取り扱っているため、安心して商品を選べます。
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取り扱い商品は多岐にわたり、歯ブラシやデンタルリンス、替えブラシなど、毎日のオーラルケアに必要なアイテムが揃っています。さらに、入れ歯洗浄剤やマウスピース洗浄剤など、特別なケアのための商品も充実しており、さまざまなニーズに対応可能です。
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歯磨き粉量でよくある3つの質問

ここからは、歯磨き粉の量に関連してよく受ける質問と回答を紹介します。適切な歯磨き粉の使用量を知ると、効果的な口腔ケアを実現し、歯や歯茎の健康をより長く維持できるでしょう。
質問1.フッ素の効果を高める歯磨きの方法は?
フッ素の働きをしっかり引き出すためには、使い方にひと工夫加えるのが大切です。まずは歯磨き粉を使わずに歯の汚れをブラッシングで落とし、その後に適量のフッ素入り歯磨き粉をつけて2分以上丁寧に磨きましょう。
磨き終わった後のすすぎは、10ml程度の水で1回だけにとどめるのがポイントです。さらに、歯磨き後すぐの飲食を避けると、フッ素が歯に留まりやすくなり、虫歯予防の効果がいっそう高まります。
関連記事:歯ブラシの持ち方は2種類|歯みがきのポイントや適切なタイミングを徹底解説! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム
質問2.歯磨き粉の量が少なくても大丈夫?
歯磨き粉を使わなくても、正しいブラッシングができていれば歯垢は十分に除去可能です。歯ブラシの毛先を歯の表面にしっかり当てて丁寧に磨くと、虫歯や歯周病の予防につながります。
毎回歯磨き粉を使う必要はなく、少量でも効果は得られます。ただし、コーヒーやお茶などによる着色汚れは歯ブラシだけでは落としにくいため、気になる場合はホワイトニング成分入りの歯磨き粉を併用したり、歯科医院でのクリーニングを検討したりするとよいでしょう。
質問3.歯磨きはどの程度の力で磨くべき?
歯磨きは、歯ブラシの毛先がしなだれない程度のやさしい力で行うのが理想的です。強く磨けば汚れがよく落ちると思いがちですが、実際には毛先が押しつぶされてしまい、歯の表面にしっかり届かず効果が半減します。
さらに、過度な力は歯や歯茎を傷つけてしまう原因にもなります。歯ブラシの硬さについては、健康な歯茎には「ふつう」タイプを、炎症や知覚過敏がある場合には「やわらかめ」を選ぶと、口腔内への負担を抑えられるでしょう。
関連記事:歯ブラシの硬さの種類や特徴とは?おすすめの歯ブラシの硬さや選び方を徹底解説! – 歯科技工所|株式会社シケン コラム

まとめ

適切な歯磨き粉の量は年齢によって異なります。歯磨き粉を使いすぎると、さまざまなデメリットがあるため適量を守りましょう。
また、歯磨きの際の力加減も大切で、優しく磨くとエナメル質を保護し、効果的な歯垢除去につながります。適切な歯磨き粉の量と正しい磨き方で、お口の健康を維持しましょう。
なお「お口のお店Oral Care Shop」では、お口の悩みを持つすべての人のために、歯ブラシや入れ歯洗浄剤など、歯科医師に認められたオーラルケア商品を販売しています。
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